VIPRPG紅白2012で総合優勝した作品「さよなら、モナーRPG。」をクリアした。
長編(人によっては中編扱い)デフォ戦RPGでフリーシナリオという意欲作であった。
この作者ローゼンクロイツ氏は、あの
Willや
Loveで一世を風靡し、あのカプンコに就職して界隈を引退したモナーRPG作者、便乗氏と相当作風が似て(ただし便乗氏にみられた不自然とも言える爽やかさは見る影もない)おり、同一人物ではないかと噂されている人物だ。
閉ざされたモナーRPG世界を崩壊させる「幕引きの魔王」を殺し、なおかつこの世界の見物人であるネットユーザーの関心を引くというややこしい使命を帯びた救世主である主人公が、魔王との最終決戦の場である塔の頂上に行くためのエレベータ動力源を4つ集めるというお話。
これらの動力源は合計8つくらいの種類があり、どれを選んで設置しても構わないのだが、それを手に入れるためには場合によっては多大な犠牲を避けられないため、プレーヤーの性格がプレイスタイルに出るのはフリーシナリオの醍醐味だ。
私は結果として、最強の剣と引換に邪神と契約して学校中の人間を寒冷地獄に叩き落とし、無慈悲にも古き良き日本の伝統にすがる人々の心の拠り所を踏みにじり、むき出しの女性器をグチャグチャに轢き潰し、自称勇者パーティーの唯一の自己実現手段を取り上げた挙句全員撲殺し、24時間働くビジネスマンたちのささやかな安らぎを取り上げて一斉に首をくくらせた。
世界そのものを救うのに、
この程度の犠牲はやむを得ないのであった。
あとねあとね、ヴァギたんとペニたんも同時に(←ここ重要)かわいがってあげたよ!今回の作品は、世間では滅び行く存在として認知・・・されているならまだいい方というオワコン分野であるモナーRPGに再び脚光を浴びさせようという野心で作られた素晴らしい作品であったように思う。
モー娘が数年ぶりにオリコン1位とったみたいなもんか。終盤もう少し練りようがあったかなとも思ったし神ゲーとまでは言えないが、こういうメタベタなストーリーが総合優勝できる時代になったんだなとしみじみさせてくれた。
私個人は便乗さんの作品よりずっと今回の作品のほうが優れていると感じた。
もしも一辺倒システム一辺倒という偏見が少なからずVIPRPG界隈にはあったので、同じモナーRPG作者としてももちろんだがオリジナルストーリーを重視する者にとって勇気づけられる結果だった。
かつて拙作「
国産ジャガー合戦」が高い評価を得られたのでそういった風土はもともとあったんだろうけど、もっともっとこういう作品が出るような祭りであってほしいものだ。