チンコパッドもといThinkPadは「レッツノートの次に頑丈」な筐体と真っ黒で武骨な見てくれ、優れた可搬性と整備性の高さ、交換パーツの充実やキーボードの打ちやすさなどで主にビジネスユースで人気のあるノートパソコンのブランドである。
かつてはIBMから、現在では連想集団(レノボ)から発売されていた。
しかしながら作っているのは日本の大和研究所ということもあり世界に誇る工芸品でもある。
また「大気圏外シェア100%(宇宙ステーションにあるのは全部コレ)」でもある。
そんなThinkPadのIBM時代のモデルが中古市場では旧式マックに次いで安定した人気があるようだ。
頑丈なのでスペックにさえ目をつぶればそんな古い物でも全然稼働するのである。
私が所有するR50e(中古で購入した10年前の機体)も当たり前のように動いているっていうかこの記事は今まさにそれで書いている。
だが長い歴史ある数々のバリエーションの中でもハズレ扱いされた機体もやはり存在する。
R50eとほぼ同期のモバイルタイプ「X40」「X41」だ。
この当時のThinkPadには大雑把に、いかにもスタンダードで割と廉価なR系、特に頑丈で高性能で高価格なT系、小型化と可搬性を重視したX系が存在した。
X40はメーカーが満を持して世に送り出したモバイルノートであった。
その自信のほどは当時の
こんな記事からもうかがい知ることができる。
しかしながらX40のコンセプトは「あまりにもモバイル性に尖りすぎた」ために、賛否両論を呼んだらしく、一歩古い形式ながら保守的で堅実な設計のX32と共存する時期が続いたらしい。
モバイルノートとしては比較的かさばるものの、性能や整備性ではX32の方が優れていたのだ。
X32とX40を両方用意し続けるのはどうかと言う事でバリエーション収束を目指したのか、後に「X41」が開発され、こちらは性能はX40より上だが燃費が悪化し、X32を置き換えるほどにはならなかった模様。
X40/X41の最大の問題はHDDが1.8インチという独自性が高すぎる規格であった。
部品交換用のバルク品の入手が難しく、おまけにひどく低性能(10Mb/sなので内蔵のくせにUSBメモリより遅い!)で将来性が無いと敬遠されたわけである。
そんなわけで次の世代は「X60」という、インテルCoreCPU搭載でSATA2.5インチHDD装備という割と近代的でご無難な仕上がりになり、X40/X41は最後までX32の順当な置き換えになることも無く、その系譜は1.8インチHDDともども(初期型以降は)途絶えた。
その不人気ぶりから比較的安い値段で投げ売り状態だった(らしい)X40/X41であるが、時代が追いついたのかにわかに人気が急上昇した。
この機種とまさに似たようなコンセプトで現代に登場した「ウルトラブック」のおかげで(?)一般化したmSATA規格のSSDに換装して近代化する人々が現れたのだ!
これに変換コネクタを噛ませて差し替えればアクセス速度は90Mb/sと9倍に(これでもmSATA規格SSD本来の性能は発揮しきれていないが)跳ね上がるぞ。
流石に本体寿命の長さは腐ってもThinkPadであり、後は新品のSSDが死ぬのが先か10年物の本体が死ぬのが先かの競争である。
長らく不遇の時代に苦しんだ反動か、なんと
X40専門のHPまで2013年の後半に立ち上がった。
時はまさにXPの賞味期限が迫る2014年初頭である。
入換用のOSはWin7以上は難しいにしても、お好みのlinuxをインスコしてまだまだ現役で戦ってくれそうだ。