昔はブラインドタッチと呼ばれていた。
盲目の人に気を使ったのか最近ではタッチタイピングと呼ばれる、キーボードを見ずに画面だけを見て高速両手タイピングを行い、誤字脱字を撒き散らして結局左矢印キーで戻ってbackspaceキーとかで修正する羽目になって効率が低下するというおなじみの技法だ。
料理できない女は嫁にいけず、タッチタイピングできない女は就職できないと実しやかに囁かれたアレだ。
そんなわけでこの記事も右手人差し指と左手指の不定期な補助でシコシコ打っている。
生意気にフィルコ赤軸キーボードにウッドパームレストまでくっつけて両手ですりすりしながら打っている。
たまには右手を浮かせないと摩擦で火が出そうだ。
しかし浮かせたら浮かせたで肩がこるリスクが増大するので悩ましいところだ。
時代はタッチタイピングには逆風である。
タブレット型マシンで外付けキーボードを使わない場合、タッチパネルに凹凸がない(逆にわざわざ凹凸が別売りされてたりする馬鹿っぷりだ)ためFとJをホームポジションできない。
ていうか結局キーボードと同じ位置に画面があるのでブラインド打ちする意味がない。
さらに高度なアイテムとして投影キーボードって言う、プロジェクタから出るキーボードっぽい映像に指を重ねることで入力するというテルミンみたいな奴まである。
机が平らならそこに映されれば凹凸はない。
銀行ATMやニンテンドーDSみたいにガラス画面にキーボードが表示されるセパレートタッチパネルとも言うべきものもある。
もちろん凹凸はない。
そもそも小さい画面のモバイルはフリック入力が場所を食わず便利だとされており、10代の若者はこれでないと文字入力ができないとか言う都市伝説まである。
そんなわけで凹凸ありきのタッチタイピングは今後衰退する一方なのかもしれない…、タッチタイピング全盛期に置いてけぼりを食らった私は結局一周遅れて「この時代のグループに並んでしまった」のかもしれないな。