現代のHDDメーカー御三家といえば「WD(傘下に日立)」「Seagate(傘下にサムソン)」「東芝(傘下に富士通)」であるが、このたび二番手のSeagateはノート用2.5インチHDDのうち高速モデルを作るのを止めることにしたそうな。
廉価な鈍行HDDを作るのは継続し、高速需要は「HDD+SSDハイブリッド」で応じるらしい。
昨今のSSDの大容量低価格
粗悪化により、HDDはかつてほどの存在感が揺るいできたように思えたが、それでもやはり純粋なSSDがHDDを完全に駆逐する程には至らない見通しである。
人間の寿命より長いSLC型SSDは高級化しもはや一般個人の手には届かなくなり、もっとも流通したMLC型SSDは高品質化と低コスト化の両立に行き詰まり、最低コストのTLC型SSDは完全に使い捨てor書き換え頻度の低い倉庫用と割りきらざるを得なくなった。
そんなわけでまだまだHDDの存在価値は揺るがず、長所も短所も知られたストレージとしてこれからも続いていくだろう。
しかしながらやはり構造的にHDDの高速化のボトルネックと負荷の集中による故障率増大は避けられない。
そこで注目されたのがHDDの仕事の一部を小型SSDに割り振るというハイブリッド構想である。
小規模なSSD(だがSLCなので寿命は長い)をデータ置き場としてではなくHDDの一時キャッシュ請負の地位にあてることでボトルネック解消と負荷の分散に貢献させるのである。
この程度の仕事量なら純粋なフルSSDほど書き込みが頻繁でなくても良いし、用意する容量も少なくてすむのでコストは下げられる。
まるで日韓共同開催ワールドカップのような折衷案ではないか。これが普及すれば、今までやたら忙しかったであろうHDD高速読み書きのしすぎによる軸歪みなんかによる故障の確率も下がるし、SSDの無闇な高額さと書き換え回数を今までほど気にしなくていいのだ。
低価格帯なら容量はとりあえずOS本体が入る程度に落ち着くだろうが、同じ容量のフルSSDの3分の1以下で寿命がフルHDDより高いのであれば存在価値はあるんじゃなかろうか。
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