EeePCって中華圏では「易PC」って表記するんだね何これカッコイイ。
前は最初期モデル4G-Xを紹介したが、その不満を「最低限」解消したのが901-Xというモデルだ。
あくまでもささやかな性能アップとディスプレイを蓋いっぱいまで拡張しただけという趣の機体であり、まさにEeePCの目指すべきコンセプトをドンピシャで実現させた、ファンの間ではいまだ神機認定の傑作らしい。
速度こそ遅いもののストレージは4GのSLCと8GのMLCを装備、CPUは4G-Xの倍の1.6GHzになり、RAMの初期装備も同じく倍の1Gとなった。
当時のWinXP使いはそれでも4Gに入れるのはしんどいので8Gの方に入れたが余計に遅くなった(それでも4G-XのSDカードに比べればマシだったようだが)ので鈍重さに苦労したようだ。
だが現代においてあえてWinXPを入れようというものはいないであろうし、金を積んでSSDをモダンな高速大容量のものに差し替えてまでWin7やWin8を入れようというのも邪道な感じがする。
やはり1万円前後で調達できる中古の易PCはバッテリー以外は初期装備のまま、長い航続距離(=電池のスタミナ)と堅牢性と携行性にものを言わせて出先で雑に使い倒してナンボであろう。
出先でインターネットをやりまくりたいがガラケーやスマホでは不満、だが中華タブレットは性能が低すぎるしアンドロイドが性に合わない、かといってウルトラブックやサーフェスやiPadは値段が高くて雑に扱えないという人にとって、中古の易PCは非常に有力な選択肢であろう。
こうしたニーズにはほかにもスマートブックという選択肢はあるがこれは完全組み込みOSでありカスタマイズが絶望的である。
だが易PCは立派にハチロクCPU搭載のパソコン様である。
要するにLinuxを入れてカスタマイズがし放題なんである。
ここにきて非常に残念なのは、そんなネットブック完全体といってもいい901-X以降の易PCは値段を下げるでもなく高性能化・肥大化の方向に向かってしまったということである。
値段で水をあけ、性能を絞り、マイナーチェンジのみにとどめてネットブックカテゴリの頂点に君臨することはできなかったんだろう。
理由は恐らくインテルとMSの圧力である。
もともとの易PCは格安のLinuxディストリビューション「Xandros」をプリインストールし2,3万円で発売されていたが、あとになって発表された日本仕様は軽量版WinXP搭載で5万円という形になってしまった。
こんな調子なので、日本で易PCを生存させるには現行Windowsが満足に稼動する形にしなくてはならない(無論初期装備901-Xでは到底満足に動かない)という圧力がかかり、必然的に大型化し値段も下げられず、中途半端な存在になってしまったようだ。
ただでさえパソコンメーカーを脅かした悪しき存在である易PC=現代の相場なら2万円を下回るLinux搭載低性能ネットブックが日本の新品PC市場に存在することは、もはや許されないことであった。
そして業界は、ネットブックのカテゴリを駆逐し、スマホやタブレットや高級可変ノートにシフトしていくのである。
あれ、ウルトラブックはどうなったかって?
店での扱いを見てお察し下さい。
ウルトラブック機占有面積の狭いこと。
ウルトラブックと表記したPOPの小さいこと。
大きな声ではいえないが、みんなわかってるんですよ。
怖くて言えないだけです。
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