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Athlon5350 対 G1820T 最終決戦

最近AMDについて知ったようなことばかり言ってる私だが実際にAMD搭載マシンを所有し使ったのはWin98時代のノートに搭載された奴だけだ。
なので最近の比較記事はネットをあさって得たレビューを鵜呑みにしてまとめただけの代物である。
それを前提にブログ記事を読んでいただければ幸いである。

さて以前Athlon5350の真のライバルはj1900ではなくCeleronG1820Tだという事を申し上げた。
G1820Tとはいわゆる「Haswell世代のCeleron=蓮セレ」の最下級モデルG1820の省電力バージョン(モバイル用とは違う)であり、れっきとしたソケット1150の現行主力デスクトップのプラットフォームである。
要するに最近の第4世代Core iのCPUだけ一番性能が低くて消費電力が低い奴だ。

しかしいくら最下級とはいえ最初から省電力を目指していた5350やj1900と比べると十分過ぎる基本性能であろう。
しかもCPU本体価格は5350より千円ほど安い。
無印G1820ならさらに千円安いがこれだと消費電力や発熱が高くなるので、流石にこれは比較対象から外していいだろう。

さてG1820Tと5350の違いを列挙するわけだが、AMD推しの人々はもう不毛なj1900いじめから脱却し現実を見なくてはならないだろう。
大きく水を開けられ、5年進んでいるIntel主力CPUと同じ土俵で戦わなければならないのだから。
ではまずG1820Tが5350に勝っているであろう要素から並べる。
・単純な処理能力が(蓮世代最下位にもかかわらず)5350より上
・現代において最大多数の主力であり多彩なソケット1150マザーボード上で問題なく動く(いつでも上位CPUに換装可能)
・リテール空冷クーラーしかない5350と違っていくらでも種類があるLGA1150対応CPUクーラー(水冷・ファンレス大型ヒートシンク・アルミPCケース直結まである)が使える
・当然のようにデュアルチャネル対応
・当然のように拡張カードがマザーボードにあるだけ刺せる
・当然のようにSATA端子が3つ以上ネイティブで使える
・コア1つあたりの処理性能は倍近い
・実は「一応APU」を名乗る5350よりグラフィック性能が若干勝っている

・・・まあこんなところである。
やはり現代の主流派の壁は厚そうだ。
たとえ最下級相手でも、根本的な実力差を埋めることができないのが現実なのだろう。

だが暗い話ばかりではない。
忘れてはならないのは5350はそもそも「単なる最下級モデル」である蓮セレとは違い、はじめから省電力&省スペースのために生み出され洗練された存在なのだ。
ではいよいよ私が知る限り「5350の方が優れているであろう要素」を羅列していく。
・CPU本体の消費電力が10W以上低い(チップセットまで内蔵しているにも関わらずである)
・発熱も低い(チップセ以下略)
・RAMにDDR3-1600の奴が使える(G1820TはDDR3-1333どまり)
・チップセット内蔵なので冷やすべき場所が少なくてすむ(あえてチップセット増設しているマザーは除く)
・電源ユニット内蔵ではなくACアダプタ直結型マザーボードがある(田コネがないどころか24pinすら必要ない)
・壊れやすいソケット1150と違いCPU側にやや太めのピンが並んでいるため装着時に自損で壊しにくい(だがグリス交換時等はAMD名物「スッポン」には注意すべきか)
・Mini-ITXマザーボードがやたら安い(G1820T用でMini-ITXサイズの奴は値段が倍以上する)
・いい意味でマザーボード上の端子が絞られ中の配線がすっきりしやすく冷却面で有利
・AESなど暗号処理に強い
・一応4コアである(G1820Tは2コア2スレッド)
・AM1と互換性のあるソケット規格は今後も続いていく可能性は高い(Intelは2年もたたずにソケット形状を変えやがる)
・新品価格はCPU本体こそ5350と同じ程度だがショップは単品販売せず必ず別パーツと抱き合わせ購入を要求してくる上に扱っているところは少ない(5350はだいたいどこにでもある)

・・・まあざっとこんなもんだ。

個人的に見逃せないのが「Mini-ITXマザーが高い」のと「必ず別のパーツも同時に買わされる」ことだ。
Micro-ATXサイズならマザーボードは4000円程度からあるのに、このサイズだと最低でも7000円はする。
ちなみにチップセット装備が必須でないAM1マザーはコストが安いのか、Mini-ITX規格であっても3000円台から存在する。
わざわざ新品パーツを新規調達してまでこの階級のマシンをこしらえるのは馬鹿げていると思わないだろうか?
あくまでもメイン高性能マシンのお下がりを用いて組むのがサブPCの本懐だと思うし。

そう、5350が優れているのはサブPCとして思い切りのよい性能だけではない。
本体価格とは違う、別に発生する価格の抑えっぷりであり、おさがり需要を満たしてくれるその性質なのだ。
サブは雑に扱われてこそサブであり、わざわざ金をかけてWindowsまで新規購入すらどうなのかという葛藤、という難題に立ち向かう能力すらも要求されるッ!

しかしながら5350がHaswell系に対して大きく劣るものの一つは「使えるパーツの種類」であり、CPUクーラーなどはその典型であろう。
やはりパーツメーカーとしては少数派プラットフォームじゃなく多数派プラットフォームに使える商品展開をしたいものだ。
ただ、今後5350がじわじわと人気を博せば、思い切った勝負「AM1対応商品発表」に出るパーツメーカーが現れないとも限らない。
AM1規格はまだまだ始まったばかり、今後の展開(さらに優れたAPU登場も含めて)に多少は注目してもいいはずだ。

昨今のIntelは省電力ユースに力を注いでいるとは言うが、現状のラインナップはG1820Tとj1900という、ただCPU本体のみが安いだけの奴&いちいち省エネ過ぎる奴にとどまっている有様。
G1820Tを24時間電源つけっぱなしだと消費電力とファンの騒音が気がかりだしそもそも小型化静音化に金がかかりすぎる、かといってj1900だと今度は思い切りがよすぎて苦手なものが多すぎ、用途を特化せざるを得ない。
そいつらのニッチをバランスよく埋めてやれるのがAMDの5350である。
5350はいい意味で中途半端と言うか、G1820Tにもj1900にも一応とってかわれる余地はあるはずだ。
ノートに次ぐ省電力&省スペース&静音デスクトップとして守備範囲が広いCPUというのは、今までありそうでなかった。
燃費やサイズこそノートに劣るが、整備性&寿命&拡張性では勝っており、一時期のネットトップの役割をさらに高レベルで果たしつつ、24時間稼働ユースにも耐えうる可能性をも十分に秘めているだろう。
あとは世の中がこいつをどれだけ評価してくれるか、なんだがな。
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