今回は私の走った話のうちの「第23話:さよなら、栄光の世界。」の反省である。
この回では「ふるさと」をコンセプトとした。
様々な理由により、故郷を追われた者はdatの世界には沢山いる。
ネームレスはもちろん、ハルタートの大技によって村を消滅させられ新天地で頑張るとある町の村長、運命代行者に故郷を不法占拠され散り散りになった四大AA、datの世界に落ちてくる以前の細胞を取り込んでいた(らしい)フロイト、そしてマリス生みの親でもあるdat落ちの悪人…。
datの世界と四大AAの故郷を繋ぐ「軌道エレベータ」を守護する幕引きの魔王もまた、上下から包囲された圧倒的不利な状況にもかかわらず唯一の持ち場というか居場所=ふるさとを守るために孤軍奮闘し、散っていった。
物語の随所では「手紙」が登場する。
この小道具が登場人物それぞれの身勝手で一方通行な思惑をつなぎ、またグチャグチャにまぜっかえす。
私の今回のクロスオーバーは根本的なまぜこぜであり、原作の面影をなるべく残す「あらびき」が主流のクロスオーバーものの慣習に一石を投じた。
この記事の詳細は「続きを読む」で!→→→
<あらすじ>
ヘルの紹介で到着した世界はdatの世界からより上位世界に近い座標にあるという場所であった。
運命代行者の手先となった軍事組織・ヴァンガードに監視されたマタリブルクという都市を支配する四大AA・モララーの依頼を引き受ける主人公達。
そこではdatの世界そのものが枯渇する危機を食い止める勇者が募られていたが、主人公達への依頼はその勇者ではなく、勇者候補を不合格にすることだった。
目論見どおり選抜試験会場に罠を仕掛けてモララーの旧友・四大AAのギコを不合格にしたが、危機はより深刻化する。
枯渇の危機の張本人である幕引きの魔王を亡き者にするべく、結局勇者そのものとなる主人公たちと、繰り上げ当選となった次点の候補者ウィル。
幕引きの魔王の凶悪な特技・レベルドレインによりあっさりと返り討ちにあうが何とか生きて帰還する。
そんな強敵の攻略に悩むところ、颯爽とフロイトが現れまんまと幕引きの魔王を撃破、行方不明の親友との再会を喜ぶウィルだったがそれは罠であった。
運命代行者によって将来の障害となる勇者達を幕引きの魔王にぶつけて数を減らした挙句、新生フロイトとして操られたフロイトによってウィルは拉致されてしまう。
表向きの幕引きの魔王討伐の真相は改竄され、ほぼ何の抵抗もできぬまま、すべて運命代行者の目論見どおりにdatの世界征服のシナリオは進んでいくのであった。
無力感に打ちひしがれながら次のステージを目指す主人公達。
そうしている間にも様々な勢力が、自らの目的に向かって着実に足を進めていたのだった。</あらすじ>
今回はかなり多くの原作を巻き込んだものとなった。
便乗作品とローゼンクロイツ作品が夢の共演を果たし、更に古典作品「モナークエスト」が割と最近の作品「栄光への道」と無茶な融合を果たすというマサラっぷり。
クリームぜんざい黒蜜あんみつのように下品で冒涜的な「全部のせ状態」ではなく、原材料がわかりにくく一つの作品として最初から出来上がっているインド風カレーのような仕上がりを目指した。
前回の反省である「オリキャラが全面に出すぎ」を克服するため、むしろ主人公ネームレスの無力感を思い知るシナリオ運びとなった。
その副作用として、痛快さというか勧善懲悪カタルシスという点では最悪に近い仕上がりになったが、ゲストが主役で主役はゲストという「クロオバのあるべき姿」をぐうの音もでないほど体現した結果を示せたと思う。
短めの話だが、その内容は重たく、爽快感とは遠いが苦々しくも濃密でブラックなエスプレッソのようにできたのには満足である。
バトンを渡した先が、ヴァンガードの目が光るであろうシベリア鉄道だというのが厳しいかもしれないが、主人公として無力さに打ちひしがれ鬱憤がたまっている状況での立ち位置なので、これに続く走者はスカっとした勧善懲悪ストーリーを仕込めばプレイヤーの満足感を得られると思う。
完結への道筋を意識することで、今回の話で犠牲になった部分を解消してもらえたら有難い…、まあ無理なら私が連投してでも何とかするのみだが。
- 関連記事
-